「手書きよりもPC入力の方が価値がある」という風潮は間違い
私がIT技術を勉強し始めてから、そろそろ19年くらい経ちました。
あくまで自分の心に素直に、嘘偽りなく、雑感を書き留めて行きたいと思います。
ペーパーワークや手書き作業は非効率で、PC作業は効率が高い。
とか、
紙や手書きは検索できないし、転用しにくいから、価値が低い。
だからこそ、ペーパーワークや手書き作業は廃止すべきだと思い込んでる人って結構いるんですよね。
会社の経営者なんかでも結構います。
彼らは、「ITを活用した効率化」などという言葉が大好きです。
しかし私は、こう考えてしまいます。
- PCが普及していない現場だと、手書きよりPCの方が非効率じゃないですか?
- PC入力させるための教育コスト、PC調達のコスト等はかからないのですか?
- 文書の価値というのは、検索と転用ができるかどうかだけで決まるのですか?
と。
みんな、「ITを活用した効率化」という言葉に踊らされすぎじゃないかと思います。
例えば文書を紙で残すというのは、
紙というハードウェアをそこに存在させることで、
紙に書いてあることを人間に意識させ、記憶させやすくするという、重要な役割を持っています。
PCではこの役割は果たせません。
PCが紙や手書きに劣る点だって、たくさんあるんですよね。
ちなみに私は、
ある物事の方向性を決めたいとか、じっくり物事を解析したい、
と思うときは、
紙とペンで、文章や図を書きながら、ブレーンストーミングで考えます。
どんなに汚い字でも、めちゃくちゃな図でもいいのです。書きなぐってもいいのです。
アイデアが出るスピードに任せて、どんどん書き進めます。
これをPCで代替することは、まず無理でしょう。
これをExcelなんかでやろうものなら、オートシェイプの操作の面倒さに、うんざりしながらやることになりますからね。
手書きであってもPC入力であっても、単に向き不向きがあり、
守備範囲が違うというだけの話です。
ペンだってPCだって単なる道具なのだから、適材適所で使えばいいのです。
なんでもかんでもITの世界に落とし込めば効率が上がってうまくいくはずだ、という風潮は、私は1人の技術屋として間違いだと思っています。